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あめにわ憩いセンター・既存住宅での実装

あめにわ憩いセンターは、築50年の民家の1階を地域に解放し、あまみずを介した地域の交流の場を目指して開所しました。ここでは様々な方法を用い、流出抑制効果を図る工夫を行っています。従来、屋根から縦樋を通って雨水ます、それから公共雨水菅へつながっていた連結を途中で切り、敷地内で雨水を貯水、利用し、また土壌に浸透させて、できるだけ敷地外へ流出させないようにしています。屋根や水の流れから分類し、4つの箇所にわけて紹介します。        

敷地面積:249m2

屋根面積:161.4m2​

以下のボタンを押すと、各エリアのページへ移動します。

治水容量 39.3㎥、
(対象降雨に対して)
利水容量 11 ㎥
構造 土壌浸透
   様々な貯留方法 
用途 非常用貯水、散水等
水質 調査中
コスト 約170万円
   (エリア1,2)
    約3万円/m3
設計上の治水の考え方

設計においては、屋根と集水する縦樋によってエリア分けを行い、エリアごとに条件としている対象降雨(※)に対して、貯留浸透による水収支を計算しました。この住宅の庭の土は、現在までに家主の樹木や花栽培などの庭の継続的な手入れにより、建設当初の基盤上に肥沃な土壌が積み重なっています。そのため、検土杖で基盤面(まさ土)と腐葉土の深さを調べ、まさ土への浸透と腐葉土の間隙への貯留を仮定し、治水効果を計算しました。

その結果、基本的には土への浸透で流出抑制を図ることができますが、エリア1では浸透できる土壌面が狭いことから処理できない雨水が発生するため、ここについては、当該地の雨水菅許容量(当該地は49mm/h)を上限として流出させることにしました。

これにより、計算上、対象降雨の場合に敷地全体に発生する49.3m3の雨水の量に対して約80%の39.3m3の流出抑制をすることができました。

なお、この場所では約11m3の利水容量も別に確保されています。上記の治水効果を計算する際には利水容量は含めていません。タンク等の利水容量は、雨が降り出す時までに空きがあれば治水効果を発揮しますが、そうでない場合もあり、不確実です。そのため、研究会では、治水容量と利水容量を明確に切り分けて提示することもテーマの一つとして取り組んでいます。

※対象降雨

福岡市南区にある桧原運動公園にて2009年7月九州北部豪雨時に観測された、総降雨量198mm・約6時間、最大時間雨量105mm/h)の雨量を対象とした。この2009年豪雨の降雨量は福岡市における治水対策の基準となっており、樋井川流域で氾濫が発生した、短時間雨量強度も高く総降雨量も多い豪雨である。

​解説ムービー
リンク先:Tomoyasu Yoshitomi's Lab.
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