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あまみず科学センター 穴あき雨水タンク

 福岡市城南区、福岡大学キャンパス内「あまみず科学センター​」では、6.5m3の新技術「穴あき雨水タンク」を建設しました。

■穴あき雨水タンク

 一般的な雨水タンクは、利水用として使われることが多いものです。雨水タンクに治水効果を期待するとすると、利用者が降雨時までにタンクの水を利用し、空きをつくっておくことができれば、降雨時に雨を貯めることができるので、雨水菅へ流れ出る量を減らすことができます。

 しかし、タンクの水を貯めたままで空きがなければ、降った雨はそのまま雨水菅へ流れ出てしまい、治水効果は発揮できません。このように、雨水タンクの治水効果は不確実で不明瞭です。

 穴あき雨水タンクは、利水用の孔とは別に、放流穴を設けます。それにより、孔の高さより上部は空きができるので、確実に治水容量を確保できます。孔の高さより下部は利水容量、上部は治水容量と明確に分割できるのです。

 また、孔の大きさをコントロールすることで、大雨の時にも一定量以上の流出を自動的に抑制することができます。流出のピークカットやピーク時間の遅延の効果が期待できます。

■あまみず科学センター:穴あき雨水タンク

 福岡大学のあまみず科学センターでは、防水シートとコンクリートブロックを用い、デッキ下に穴あき雨水タンクを設置しました。

 設計においては、2009年7月に発生した九州北部豪雨の観測データを利用し、この雨が科学センターの屋根に降った場合に流出抑制を図ることを目標としました。孔の大きさは、この場所での計画雨水菅許容量を上限として流出するように設定しました。

 計算上の治水効果としては、条件とした降雨(総降雨量198mm、約6時間)に対して10分間雨量で50%以上流出抑制、ピーク時間を1時間遅らせることができました。

容量 6.5㎥
(治水容量 3.8㎥、
​ 利水容量 2.7㎥)
構造 コンクリートブロックおよび遮水シート
用途 洪水抑制、散水
水質 調査中
コスト 44.8万円 
   1㎥あたり6.9万円
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